検査機器メーカーの製品撮影にこだわったパンフレットデザイン

フラッグシップモデルとなる、主力製品の次世代機の登場にともない、それにふさわしいクオリティのパンフレットを制作することに。これまでの性能をはるかに超えるハイエンドモデルのパンフレットなので、それにふさわしい高級感、高機能性を謳えるデザインとコンテンツが必要でした。ハイスペックな高性能機器だけど、よりユーザーが使いやすいものに進化したというが大事な点となります。

非常に専門的な産業用機械であるために、性能や構造の説明がとても多くなりがちですが、スペックの羅列や数値的な分析結果ばかりのパンフレットでは、従来ありがちなものと同じになってしまいます。もっと美しく、見やすいカタログにするにはどうするべきか。メインとなるビジュアルには、産業用機械でありながらも、まるで高級音響機器のように美しく、セクシーなビジュアルにするのはどうかと考えました。ほかを圧倒するハイエンドモデルにふさわしいパンフレットデザインです。また、「ハイロックス独自の揺るぎない特徴と開発思想」を軸にふまえ、コンテンツを作る際の情報の取捨選択の基準としました。

産業機器のパンフレットはとても複雑な内容が数ページに渡って続きます。今回も構成は32ページにわたって専門的かつ説明的な内容が続くので、1ページごとに目線の動きを考えて、単調にならないような工夫が必要です。なのでレイアウトを考える際に、とにかく見やすさを大切にしつつも、リズミカルなつくりになるよう意識しました。大胆に余白を配したのは、かっこよくて高級感溢れるフラッグシップモデルにふさわしいデザインに仕上げるためです。

また、製品から漂う魅力を伝えるために撮影にはとことんこだわりました。物撮用のスタジオを3日間借り切った上で、さまざまなアングルからかなり綿密に撮影を行い、使用する写真をセレクトしました。さらに設計図から3Dパースをおこして製品のかっこよさをより強調することで、ビジュアルから新製品の凄みを感じてもらえるような工夫をしています。

それにより、産業機械のパンフレットには思えないようなかっこよさ、物から漂う質感があるクリエイティビティの高いものに仕上がりました。競合他社にはないようなページの構成なども含めて、読む方の感性に直接響くエモーショナルなパンフレットになっていると思います。