インナーブランディングを強化するスピリットが凝縮されたDNAブック

人材派遣をメインに事業展開しているのが、私たちウィルグループです。会社の規模が拡大するにつれて、創業時の力強いスピリットが伝聞により薄まっていくのではないか。そう思い、DNAブックの制作を考えていました。Webサイトで見つけたアートアンドサイエンスに問い合わせたのが、今回のプロジェクトの始まりです。メールで問い合わせし、すぐに電話連絡があり、早速来社していただきました。その時にウィルグループのスローガン「根拠なき自信」についてお話したのですが、アートアンドサイエンスが「それって、ケネディが“我々は月に行く”と宣言したことと同じでしょうか。結局、アメリカはケネディのこの根拠なき自信のおかげでアポロ計画を実現させたんですよね」と。もう目から鱗でした。まさにその通りでしたから。短時間でウィルグループの根幹をきちんと理解してくれたことに驚きましたし、一緒にいいものが作れそうだなと期待が膨らみました。実は、同時期にデザイン会社3社に見積もりとプランを出してもらっていました。なかにはアートアンドサイエンスよりもかなり低いコストで制作を請け負う会社も。ですが、価格以上のものを作ってもらえるに違いないとアートアンドサイエンスに仕事をお願いすることにしました。ブレストの段階からコンセプトの深いところを理解してくれたというのが一番の理由です。

ウィルグループは、人材派遣がメイン。ですから、人が財産です。そこで、社員の土台となるDNA、社のスピリットを全員で共有するインナーブランディングがとても重要だと考えていました。外部の会社にお願いするとなかなか本質が伝わらないと思い、DNAブックのテキストは自分たちで書こうとも考えていたんです。でも、アートアンドサイエンスのキュレーション能力が非常に高かったのでお願いしました。膨大な資料の中から核心となる部分を抽出し、肉付けしていく能力は想像以上で、「根拠なき自信」と「Believe in Your Possibility」を創業からの歩みとともに60ページに渡って展開してもらっています。さすがプロフェッショナルな会社だなと感心しました。テキスト内容もさることながら、ビジュアルもハマりましたね。赤と黒の二色刷りという大胆なグラフィックも力強く、当社のDNAブックにふさわしいデザインだと見た瞬間に気に入りました。特に手榴弾のビジュアルは、あのゴツゴツとした雰囲気といい、攻めな姿勢がウィルグループらしいと評判が良かったんですよ。企業の公式なツールとしては少し大胆すぎるかなという懸念もありましたが、デザインとコンセプトが見事にハマっていたので、そこは冒険的に決断しました。

「Believers」は、ウィルグループのバイブルとして大切にしたいと思わせる本です。アートアンドサイエンスの勧めで決めた上製本仕上げや箔押しなど、紙媒体ならではの贅沢な仕様にしたのは、インナーブランディングとして正しい選択でした。アートアンドサイエンスが「ここまでのデザインになったので、印刷・加工金額は最大限努力する」と言ってくれたので、その時は嬉しく感じましたね。一緒に作りあげてきたことを改めて実感しました。自分たちでは思いつかないような大胆なデザイン、構成アイデアの本ですが、社員から「まるで社内の人が作ったのかと思えるほど、“まさに我々そのもの”なDNAブックができた」という声が多かったですね。ここまで会社にフィットするものが出来上がったのは、アートアンドサイエンスだからこそだと改めて思っています。最初のブレスト時に感じた、深い理解力と核心を突くアイデアは最後まで変わることはなかった。毎回さすがだなと思わせるプレゼンでしたね。おかげで、オーダーメイドのDNAブックが出来上がりました。アートアンドサイエンスのような「クライアント企業と共通の言葉で対話できるデザイン会社」に出会えたことに満足しています。